サムネイル「【門司港共創プロジェクトチーム共同事業体公認】物語が生まれた街・門司港をめぐる「コンビニ兄弟」ツアー」

福岡

2025.12.6、2026.1.24

【門司港共創プロジェクトチーム共同事業体公認】物語が生まれた街・門司港をめぐる「コンビニ兄弟」ツアー

  1. コンビニ兄弟
  2. 町田そのこ
  3. 小説
  4. 北九州
  5. 門司港

みなさん、こんにちは。今回ご案内するのは、『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)をはじめ、数々の話題作で読者を魅了してきた人気作家・町田そのこさんの著書『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(新潮文庫nex)の舞台を訪ねる特別なツアーです。物語に登場するスポットとエピソードを重ねながら、港町・門司港の街を歩きます。

2巻の表紙絵となった門司港レトロ「海峡プラザ」

ツアー参加者には、なんと町田そのこさんによる特別書き下ろし小説をプレゼント。また、ツアーの締めくくりには、町田そのこさんご本人によるトークショーを予定しています。また、参加者特典として最新巻『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店5』(新潮社nex)に、直接サインをしていただける機会です。作品世界と作家の魅力に直接触れられる、贅沢なひとときになるでしょう。

そして、今回のツアーのナビゲーターを務めるのは、本企画メンバーでもある「門司港共創プロジェクトチーム共同事業体」の青木紀子です。門司港生まれ・門司港育ちの編集者として、町田さんの作品、そしてこのツアーを通じて、門司港の街の美しさや楽しさはもちろん、その包容力や人の心をそっと回復させる力を感じてもらいたい――そう考えています。

作品が生まれた理由を肌で感じていただくために、地元の人が通う市場や、笑顔の素敵な大将が迎えてくれるお店など、暮らす人の視点から門司港の多彩な魅力をご紹介したいと思います。


【目次】

異国の香りを残す、九州の玄関口・門司港

正面の建物は旧大阪商船。街には歴史的建築物が数多く残る。

古くから栄えた港町には、どこか異国の香りと、人々の営みが積み重ねてきた栄華の気配が漂っています。九州の北の端に位置する門司港も、そんな町のひとつです。

明治期には石炭の積み下ろしで大いに賑わい、外国船が行き交い、全国から商人や旅人が集まりました。港町の映画館や船員バー、当時めずらしかった洋菓子の話などは、今も地元の人々によって語り継がれています。時代の流れとともに街の熱気は落ち着いたものの、関門海峡を吹き抜ける風の中には、今もその活気の余韻が息づいています。


門司港駅前の交差点。海峡の向こうに下関の街が見えている。

そして、門司港を語るうえで欠かせないのが、九州と本州を隔てる関門海峡です。対岸の山口県下関市までは、船でわずか5分。流れの速い海を巨大な船がすり抜ける光景は迫力があり、旅人たちを驚かせます。しかし、海峡のそばで暮らす人々にとって、船は日常の景色そのものなのです。

町田そのこさんが見つけた、“心をほどく町”

門司港駅の改札を通ると、大正レトロを感じさせる詰襟の制服に身を包む駅員の姿が。

そんな港町を背景に描かれたのが、町田そのこさんの小説『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(新潮文庫nex)です。作者は北九州の隣町で生まれ育ち、今もその地で暮らしています。

理美容師を目指して学校に通っていたころ、気持ちがうまく整わない日に、ふと反対方向の電車に乗り、終着駅・門司港へと辿り着いたそうです。海を眺めながらお弁当を広げ、本を読んで過ごした穏やかな時間――それが、彼女と門司港の出会いでした。

街には古くから続くお店が多い。ひょっとしたら昔話を聞けるかも。

その後、何度も訪れるようになり、初めてのドライブも門司港だったといいます。生まれ育った場所からそう遠くないのに、心をほどくように寄り添ってくれる不思議な町。それが、町田そのこさんにとっての門司港なのです。

小さなコンビニで起きる、やさしい奇跡

物語の舞台は、門司港の一角にあるコンビニ。イケメン店長の存在感に引き寄せられるように、店員や常連客たちが集い、日々の小さな出来事が交錯していきます。

誰もが「お客さん」のひとりにすぎないのに、それぞれに抱えた過去や想いがあり、ふとした瞬間に心の扉が開かれていく――。門司港の風に吹かれながら、人と人とが触れ合う物語は、静かな日常の中に潜む温かなドラマをそっと浮かび上がらせます。

昭和32年(1957年)から続く栄町商店街。

長く門司港で暮らし、働き、この街の空気を知る私には、作品に描かれるドラマが不思議なほどリアルに感じられます。いかにもフィクションめいた出来事が、私たちの日常の中で本当に起きているからです。誇張ではなく、「本当にこんなことあるんだ」と思う瞬間が少なくありません。

街外れの市場には、門司港の”日常”が連綿と続いている。

それは、店先での挨拶や、顔なじみとの何気ない会話――そんな小さなやりとりから始まります。ささやかな場面のひとつひとつに、この町の「あたりまえ」と「奇跡」が息づいているのです。大都会としての誇りと、九州の端の町らしい人懐っこさ。その両方を包み込む懐の深さこそが、門司港の魅力だと感じます。

そして、町田そのこさんに会える特別な日

めかり潮風広場、通称「たこ公園」。関門橋の向こう側から眺める海は、ひとあじ違う。
一見穏やかに見える海だが、じつは潮流が早く「日本三大潮流」のひとつである。

物語の源泉となった土地を歩き、作中の風景を重ねるとき、小説の行間に潜む想いが、静かに立ち上がってくるはずです。

当日の門司港では、「コンビニ兄弟」シリーズとコラボしたアート展示やフォトスポットが登場。デジタルスタンプラリー(参加者には、オリジナルステッカーをプレゼント!)も実施し、作品の世界にたっぷり浸っていただけます。そして終わりに、町田そのこさんご本人に会えるトークイベントを開催。きっとその時間には、美しいイルミネーションが街を彩っているでしょう。

なぜ、この街で物語が生まれたのか。その答えを探す旅に、ぜひ足を運んでみてください。

青木紀子
門司港生まれの編集者。「門司港共創プロジェクトチーム共同事業体」のメンバーとして本ツアーの企画にも携わる。事業体でのおもな仕事に、門司港レトロ公式HPや門司港レトロ9施設パンフレット、関門海峡ミュージアムで開催の展覧会「門司港の煉瓦と未来展」「Oh, Noh!和布刈」の企画・編集などがある。

【門司港共創プロジェクトチーム共同事業体公認】物語が生まれた街・門司港をめぐる「コンビニ兄弟」ツアー

日程:①2025年12月6日(土) ②2026年1月24日(土)
集合:10:00〜19:30解散予定

参加のご応募について/下記リンクよりお申込み下さい。


ABOUT TOUR:ツアー詳細

10時集合/門司港駅内 貴賓室

大正時代に建てられたネオ・ルネッサンス様式の駅舎・門司港駅。その2階にある貴賓室にお集まりいただきます。かつて高貴な方々をお迎えしていた特別なお部屋です。

終点駅であり、始発駅でもある門司港駅。

10:00〜10:50/オリエンテーション&アイスブレイク

ツアーの概要をご説明したあと、参加者のみなさまに簡単な自己紹介をしていただきます。門司港という場所で出会えたのもひとつのご縁。互いの旅の目的や期待をシェアしながら、温かな雰囲気の中でツアーの第一歩を踏み出します。

11:00〜/関門汽船で唐戸市場へ|昼食

本州と九州の近さを実感するはず。船上から間近に見る船は圧巻。
ふぐ、うに、くじら、あんこう……あなたが気になるの海の幸は?

物語にも登場する、対岸・下関市の唐戸市場へ船で渡ります。関門海峡を横断するわずか5分の船旅は、門司港の日常に溶け込んだ人気の移動ルートです。週末や祝日に開催される一般向けの市場では、新鮮な魚介を中心とした海の幸ランチをお楽しみいただきます。活気あふれる港の空気の中で、物語と現実が重なる時間を味わってください。

13:30〜/関門汽船で門司港へ|スポット巡り

恒星が不倫調査に潜入した「プレミアホテル門司港」。
多喜ニとヒカルが二人三脚の練習を重ねる「老松公園」。

昼食後は、再び関門汽船で門司港へ戻ります。ここからは、小説『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(新潮文庫nex)の舞台となったスポットを巡るまち歩きへ。開催中のコラボアート展示をはじめ、作品の情景を感じられる名所を訪ねます。門司港の風景に物語の記憶を重ねながら、ゆっくりと街の魅力を味わってください。ブルーウイングもじ →門司港レトロ展望室 → 大坂町通り → 老松公園。

16:00〜/自由行動

おもに週末のみ運行する潮風号は”日本一遅い列車”とも。
ガイドブックには載らない門司港の日常を味わってみては?

物語に登場する場所や、地元で人気のスポットをまとめた「門司港おすすめマップ」をお渡しします。カフェや雑貨店、路地裏の風景など、それぞれのペースで門司港の街歩きをお楽しみください。物語の余韻を感じながら、自分だけの“テンダネス”な時間を見つけてみてください。

17:45〜/町田そのこ氏トークショー|関門海峡ミュージアム

北九州の夜景は「日本新三大夜景」のひとつに数えられている。

『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(新潮文庫nex)の作者・町田そのこさんによるトークショーを開催します。作品誕生の背景や、門司港という街への思いを、ご本人の言葉で語っていただきます。さらにトークショー終了後には、最新巻『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店5』(新潮社nex)に直接サインをしていただける機会を設けております。物語の源となった場所で、作者の声に耳を傾ける――。このツアーでしか体験できない、心に残る特別なひとときです。

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