サムネイル「【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する、三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/東紀州編 vol.3」

三重

2025.12.10-11

【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する、三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/東紀州編 vol.3

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皆さま、こんにちは。三重に暮らす・旅するWEBマガジン『OTONAMIE』代表の村山祐介です。今回ご案内するのは、「【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/東紀州編」。ナビゲーターを務めるのも、気づけば今年で3年目になりました。はじめての方も、お久しぶりのリピーターの方も、東紀州ならではの“ちょっとニッチな旅”にお付き合いいただければ幸いです。



『OTONAMIE』代表の村山祐介です。ライターやディレクターとして、三重県内を駆け回っています。

まず初めに少しだけ自己紹介をさせてください。私は三重県津市の新興住宅街で生まれ育ちました。特に都会でも田舎でもない、“平均的な暮らし”がある環境で高校卒業までを過ごしました。

大学進学で京都へ、そして東京での就職。時間の流れもトレンドの移り変わりも早く、学びや刺激は尽きず、「やっぱり東京はすごいな」と思う日々でした。ただ一方で、私自身は忙しさに追われ、思い描いていた憧れとは少し違う、やはり“平均的な暮らし”の延長線上にいるようにも感じていました。

そんな折、地元に戻り、家業の印刷屋に入って数年が経った頃のこと。取材で、いわゆる過疎地や限界集落を訪れる機会がありました。山を駆ける猟師のおじいさん、野草茶をつくるおばあさん。そこで出会った人々は皆、優しくて温かく、目をキラキラと輝かせていたのです。さらに、同世代やもっと若い世代の人たちも、地方で自分なりの暮らしをつくり、自らの価値観で日々を楽しんでいる。その姿が、とてもまぶしく映りました。

三重県鳥羽市の離島・答志島で出会ったおばあちゃん

何かがおかしい――。そう感じたのは、自分が固執していた“田舎”と“都会”という二項対立の価値観が、良い意味で崩れたときでした。そこから私は、田舎にどんどん惹かれていきました。

約10年前にWEBマガジン『OTONAMIE』を立ち上げ、取材を通じて多くの人に出会いました。そこでの出会いが、いまの自分を形づくってくれたのだと思います。現在は田園風景が広がる場所で、三人の子どもや妻と暮らしながら、ときどきご近所さんに野菜をお裾分けしていただく。そんな日常を送っています。

かつて都会に憧れていた自分に伝えたいことがあります。幸せの価値観は都市にだけ見出すものではないということ。田舎には、“平均化”されていない多様で豊かな暮らしがあるのです。

都会も田舎も、それぞれの良さに気づけたとき、暮らしの幅は大きく広がります。いずれ「関係人口」が当たり前になる時代には、私たちは“どちらか”を選ぶのではなく、“どちらも”を選択できるのだと思います。

一昨年度の東紀州編のツアーの様子

今回のツアーは、これまで東紀州で出会ってきた方々や、ぜひ注目していただきたい企業を中心に巡ります。先進的な取り組みを進める地域プレイヤー、自然を活かした暮らしを実践する人々。そして、田舎にも実はすごい企業がある――そんな発見に出会える機会です。

主催は三重県南部地域振興局。「IターンやUターンといった難しい言葉はひとまず置いて、とにかく若い世代に、三重県南部地域の“アップデートされた魅力”を肌で感じてもらいたい!」。そんな郷土愛に満ちた事業として企画されています。

フィールドワークや企業訪問、ワークショップや自然体験。そして地元グルメを囲みながらの交流会もご用意しました。どうぞご期待ください。ディープでニッチな、濃い目の1泊2日バスツアーにご期待ください。

【目次】

ツアーの舞台は、広がる海と深い森。
日本の原風景が残るふるさと。

日本一長い砂礫海岸「七里御浜」に面する、岩が御神体の日本最古の神社のひとつ「花の窟神社」

今回訪れる東紀州は、東に広がる太平洋の大海原と、西に連なる紀伊山地の山々に抱かれた、豊かな自然のエリアです。ブランドヒノキで知られる林業や、温暖な気候を活かした柑橘農業も盛んに行われています。近年は世界遺産・熊野古道が注目を集め、海外からの観光客も増えてきました。

そんな歴史や自然に育まれた暮らしと仕事を、五感で感じていただけるのが今回のバスツアーです。ここからは、1泊2日で巡る訪問先の魅力と行程をご紹介していきます。

1日目/アタシカデイズ

ご自身の柑橘畑を案内する近藤さん(日々三重Facebookより)

まず訪ねるのは、津市から熊野市に移住し、地域おこし協力隊を経て柑橘農家となった近藤久史さん。カフェやゲストハウスの運営に加え、SUPなど海のアクティビティも手がけるなど、自然とともに生きるライフスタイルがとても魅力的です。農業と観光業をかけ合わせた“新しい暮らし方”を肌で感じていただけます。

アタシカデイズでの移住体験ツアーの様子(日々三重Facebookより)

近藤さんが取り組む「アタシカデイズ」や、田舎で起業する醍醐味についてのお話を伺いながら、手づくりランチをいただき、まちの散策も行います。昨年もこのツアーでお世話になり、参加者から大好評だったプログラムです。

■参考HP/アタシカデイズ https://newdeer.jimdofree.com/

1日目/北越コーポレーション紀州工場

「田舎での起業や自然を活かした仕事もいいけれど、都市のように企業勤めをしながら田舎の暮らしを楽しみたい」。過去のツアー参加者のなかには、そんな声もありました。一方で「田舎には仕事がないのでは?」という不安を耳にすることも少なくありません。

実は三重県最南端の紀宝町には、大手企業「北越コーポレーション」の製紙工場があります。企業に勤めながら、どのように暮らしを楽しむことができるのか。今回は工場の見学を通して、その実際を知る機会をいただきます。

■参考HP/北越コーポレーション https://www.hokuetsucorp.com/

1日目/飛雪の滝キャンプ場

雪の滝とテントサウナ(飛雪の滝キャンプ場HPより)

この日の宿泊は、紀伊山地の森に抱かれた「飛竜の滝キャンプ場」。高さ30mを誇る飛雪の滝を望むロケーションにあり、暖かいコテージでゆったりとお過ごしいただけます。ここは近年、テントサウナの聖地としても知られ、フィンランド式やロシア式など多彩なサウナ体験が人気を集めています。滝の音に耳を澄ませ、大自然に身を委ねながら、心も体もリフレッシュできるひとときをお楽しみください。

■参考HP/飛雪の滝キャンプ場 https://hisetsu.jp/main/

1日目/BBQ・参加者同士の交流会&トークイベント

地元食材を使ったBBQのイメージ(飛雪の滝キャンプ場HPより)

夕食は「飛雪の滝キャンプ場」で、地元の食材をふんだんに使ったBBQを楽しみます。森の澄んだ空気と滝のせせらぎに包まれながら味わう食事は、ここでしか体験できない特別なひととき。

さらに、この夜は「食事会&交流会」を開催。テーマは 「東紀州の暮らしの未来図」。東紀州で暮らすゲストと参加者、そしてファシリテーターの私が一緒になり、地域のこれからについて語り合うトークライブです。

ゲストは今回のツアーで訪ねる以下の3名(予定)。現地でのリアルな視点とともに、未来を描くヒントに触れる時間をお届けします。

ゲスト:野地伸卓さん(nojimoku 代表)

「nojimoku」の三代目社長の野地伸卓さん

2日目に訪ねる「nojimoku」の三代目社長。熊野市で60年以上続く製材会社を率い、時代のニーズに応えながら「山・地域・暮らし・デザイン・教育・体験」と、多分野でイノベーションを仕掛けています。元バンドマンというユニークな経歴も活かし、ものづくりに楽しさを取り入れる姿が印象的。東紀州の森と暮らしをつなぐ取り組みについて伺います。

参考記事/林業の”呪い”を解く、価値創造の新プロジェクト『AMASUNA』とは?

ゲスト:近藤久史さん(アタシカデイズ 代表)

「アタシカデイズ」の代表の近藤久史さん

1日目に訪ねる「アタシカデイズ」の代表。地域おこし協力隊を経て柑橘農家を営みながら、カフェやゲストハウスの運営にも取り組んでいます。今回は、訪問時に聞ききれなかったエピソードや視点を交えつつ、東紀州の未来図をさらに深掘り。多拠点的に活動を広げる近藤さんとともに、地域の可能性を探ります。

参考記事/三重の里いなか旅のススメ(特集記事)


ゲスト:杉本賢さん(すぎもと農園 代表)

2日目に訪ねる「すぎもと農園」の代表。御浜町に拠点を構え、有機JAS認証の取得や海外輸出、高品質みかんを都市部の百貨店へ出荷するなど、地方から世界へと挑戦を広げています。地域発のブランドをどのように育ててきたのか、その過程や可能性について伺います。

参考記事/中日新聞記事


2日目/すぎもと農園

すぎもの農園の畑の風景(すぎもと農園HPより)

太平洋を望む温暖な気候に恵まれた御浜町は、「年中みかんがとれまち」として知られ、柑橘栽培が盛んな地域。近年では柑橘農家として就農する移住者も増えている地域です。

そのなかで「すぎもと農園」は、銀座の百貨店に高級柑橘を出荷し、台湾をはじめとした海外との取引も行うなど、地方から世界へ挑戦を続ける存在です。国の機関と連携した先進的な農業や、AI・ロボット技術を取り入れた新しい農業にも積極的に挑戦しています。

現場を実際に見学しながら、地方の農業にどんな可能性が広がっているのか、その最前線を体感します。

2日目/nojimoku(野地木材)

nojimokuのスタッフの皆さん(nojimoku Facebookより)

かつては漁業・農業・林業といった第一次産業が盛んだった東紀州。しかし時代の流れとともに人口減少が進み、熊野市もその例外ではありません。国産木材の需要が減少するなかで、60年以上続く製材会社「nojimoku」は新たな道を切り拓いています。

講義でお話をする野地さん(野地さんInstagramより)

製材業という「材料を供給する側」から一歩踏み出し、消費者と直接つながる仕組みをつくり、ファンを増やしているのも特徴です。地域でのイベント企画やオリジナルゲームの開発など、従来の枠にとらわれない発想で、多彩なプロジェクトを展開。

当日は、そのユニークな取り組みや考え方に触れながら、林業の未来や地域の新しい可能性を体感します。

本ツアーの醍醐味「あたらしいふるさとに出会う旅」

熊野市の山間部にある丹倉神社。御神体は巨岩。

以上が、「【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/東紀州編」の概要です。最後にナビゲーターとして、皆さんにひとことメッセージを伝えさせてください。

今回の舞台・東紀州は、伊勢神宮が建立されるはるか以前から、熊野三山へ人々が歩みを進めた聖地。「アリの熊野詣」と呼ばれるほど多くの参拝者が集いました。宗教という概念がまだなかった時代、巨岩や滝といった自然そのものに祈りを捧げる原始信仰が、この地には今も息づいています。

深い山々が幾重にも連なり、視界に収まりきらない海が広がる。その雄大な自然に、かつての人々は畏怖や畏敬の念を抱きながら暮らしていました。私自身、この東紀州に立つたびに、日本という島国の豊かさを映す縮図のような場所だと感じ、同時に「ふるさと」という言葉が自然に心に浮かびます。

これからの時代、地域との関わり方はますます多様になり、私たちは関わる地域や暮らす場所を自由に選べるようになります。今回のツアーで出会う美しい自然や、そこで暮らす人々の姿が、皆さんの心に小さな記憶として残り、ふとした時に温かな感情を呼び起こしてくれるなら、それはきっと心の「ふるさと」になるはずです。

東紀州を愛するひとりとして、その旅をナビゲートさせていただきます。少しでも興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にお申し込みください。

村山祐介(OTONAMIE代表/寿印刷工業株式会社 専務取締役)
家業の印刷会社に入社しグラフィックデザインやWEBデザインを担当。民間発の地方創生プロジェクトとしてローカルWEBメディア『OTONAMIE』を立上げ、運営後はライターも行う。現在はアートディレクター、プロモーションディレクター、映像ディレクター等、各種ディレクション業務を中心に活動中。様々な事業の取材などを通じて、三重県の生産者や地域プレイヤー等との深いリレーションを構築するとともに、三重県の食や歴史・文化について官民のメディアで執筆担当も務める。三重県が主催する地方創生関連のイベントのファシリテーターやゲストとして東京、大阪、地元三重でも登壇。■詳細 https://my.prairie.cards/u/yusuke-murayama

【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する、三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/東紀州編 vol.3

日程:12月10日(水)〜11日(木)
集合:10日(水)7:50 解散:11日(木)18:45頃

参加のご応募について/下記リンクよりお申込み下さい。
※正式お申し込み時に名古屋または津発着をお選び頂きます。

ABOUT TOUR : ツアー詳細

12月10日(水)8:00 名古屋駅出発

↓バス移動(10:30 津駅経由)

12:30〜14:00 アタシカデイズ

「アタシカデイズ」では、取り組みをご紹介いただきながら、「いなかで起業」をテーマにしたワークショップを行います。昼食にはカフェのお手製ランチと、近藤さんが育てた柑橘でつくるフレッシュジュース(これがまた美味!)をご用意。食後は熊野市新鹿町を散策しながらのフィールドワークへ。町の空気や人の暮らしに触れながら、地域との関わりを体感していただきます。最後はビーチでのクリーン活動を実施。海の美しさを実感し、地域と自然のつながりを感じられる時間になります。

↓バス移動

15:00〜16:30 北越コーポレーション紀州工場

まずは事業内容についてのプレゼンテーションをいただき、その後、工場内を見学。普段はなかなか目にすることのできない、紙ができあがるまでの工程を間近で見られる貴重な機会です。見学のあとは質疑応答やディスカッションを通じて、地域に根ざした大規模産業の現場について理解を深めます。

↓バス移動

17:00〜18:00 飛雪の滝キャンプ場

飛雪の滝キャンプ場コテージ(飛雪の滝キャンプ場HPより)

「飛雪の滝キャンプ場」へ移動し、宿泊先となるコテージにチェックインします。高さ30mを誇る滝のそばで、大自然に抱かれながら過ごす時間はここならでは。しばし休憩や自由時間を取り、ゆったりとしたひとときをお過ごしください。

18:00〜20:00 BBQ・参加者同士の交流会&トークイベント

地物食材を使ったBBQのイメージ(飛雪の滝キャンプ場HPより)

夜はキャンプ場のBBQ施設にて、地元の食材をふんだんに使ったBBQを楽しみます。自然に囲まれたロケーションで味わう食事は格別です。食後は「東紀州の未来図」をテーマに、3名のゲストを迎えてディスカッション形式のトークライブを開催。参加者も交えながら、地域のこれからについて語り合う交流のひとときを過ごします。

12月11日(木)8:30 出発

↓バス移動

09:30〜11:00 すぎもと農園

写真はイメージです。

畑や加工場を見学させていただき、地方発で世界をマーケットにした農業などについてお話を聞かせていただきます。

↓バス移動
11:30〜12:15 昼食:道の駅パーク七里御浜2階「ごちそうダイニングby辻さん家」

↓バス移動

13:00〜15:15 nojimoku(野地木材)

熊野原木市場(nojimoku HPより)

熊野原木市場にて「nojimoku」の取り組みについて伺います。売買される大量の原木が並ぶ迫力ある現場で、林業の今を学びます。また、野地さんが会長を務める「熊野林星会」が開発したボードゲーム「セーザイゲーム」に挑戦。製材王を目指しながら、楽しみつつ製材の流れを理解できるユニークな体験です。最後に「nojimoku」の工場見学も実施し、林業から製材までの現場を実際に見ていただきます。

↓バス移動(17:15 津駅経由)

18:30 名古屋着


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