福岡
門司港駅のすぐ前は、関門海峡の青い海です。関門海峡といえば、源平合戦や吉川英治の小説で宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘した巌流島があることで知られていますが、初めて訪れた人はこの海峡を目にして、九州と本州とが、こんなにも近いのだと驚くでしょう。国際船路であるこの海峡では、大型の荷物船やタンカーなどが行き来するのを間近で見ることができます。門司港は、かつて石炭の積み出しや海外への渡航窓口として発展した歴史があり、今もなお当時のままの姿の古い駅舎や赤レンガの倉庫群などをみることができますが、観光エリアから少し離れた場所の店や料理にも、往時を偲ばせる面影を残しています。ぜひ、この機会にゆっくりとこの港町を散策して、その歴史を肌で感じてみてください。
1964年北九州市生まれ。画家。多摩美術大学卒。広告制作会社サン・アド退社後、画家として活動をはじめ、油彩画、水彩画、木版画などの絵画、また音楽家との即興による共働制作作品などを発表。著書に『僕は、太陽をのむ』港の人、『かぼちゃを塩で煮る』幻冬舎、『のみ歩きノート』筑摩書房、『へたな旅』亜紀書房、『牧野伊三夫イラストレーションの仕事と体験記1987―2019』誠文堂新光社、絵本『十円玉の話』『塩男』あかね書房などがある。美術同人誌「四月と十月」同人、発行人。北九州市情報誌「雲のうえ」編集委員。2022年度東京アートディレクターズクラブ原弘賞ほか受賞。東京都在住。